小学高学年の頃、秋になるとベーゴマをやっていました。
ほかにめんこ、ビー玉、釘差し(手で地面に釘を投げ打ち陣地を競うもの)、2B5B花火などがありましたが、遊び道具に“匠”の技を競うなど奥深さにおいてダントツで面白かったのがベーゴマでした。
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より長く回る、敵と当たっても飛ばされにくいということでなるべく平たくし、中心をヤスリで針のように尖らせたものが最強とされていました。
ただしこれは回転の芯を外すことなく削り出さなくはならず、小学生にはなかなか高度な技が必要でした。
また山からとってきた粘土で強い針ベーの型を取り、缶詰の空き缶に溶かした釣りの鉛の重りを流し込み、より重く安定した今風にいえば「ギガモンスター級」のベーゴマを拵える猛者もいました。
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ベーゴマを回す台は樽にゴムの雨がっぱの黒い裏側を縛り付けたものでした。今回撮影した画像はイメージです。実際はもっとツルツルでした。
回すための紐を私たちはたしか「オナ」と呼んでいました。使い込み、柔らかく黒ずんだものがよいとされていました。
メンコもそうでしたが「国鉄」「大下」「大映」など懐かしいプロ野球関連の名称、そして「トドラ」「赤胴」などテレビで人気の怪獣・キャラの名称が見られます。私の時代でさえ往年と呼んでおかしくないそれらですが、それもなんだか歴史ある遊びの格を漂わせカッコよさを感じさせるものがありました。
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いまでも回せるかな。試しにチャレンジしてみたら、すでに紐を固く巻けない年寄りがそこにいました。
ベーゴマ資料提供:山下英昭さん(久保田) 寄稿者:凪(久保田)
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